【歯科医監修】子供の口呼吸が引き起こす5つの問題と治し方
- 2025年11月5日
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子供の口呼吸が引き起こす健康問題とは
お子さんが日常的に口を開けて呼吸していませんか?最近では、何かに集中している時や、テレビを見ている時など、無意識に口を開けたままにしている子供が増えています。
実は、この「口呼吸」という状態は、お子さんの健康に様々な悪影響を及ぼす可能性があるのです。
口呼吸とは、本来鼻で行うべき呼吸を、常に口から行っている状態を指します。人間の体は鼻で呼吸するように設計されており、口呼吸は一時的に酸素を多く取り込む必要がある運動時などを除いては、本来あるべき姿ではありません。
鼻呼吸には、空気中の細菌やウイルスをフィルタリングする、空気を加湿する、空気を温めるなど、重要な役割があります。口呼吸ではこれらの機能が失われてしまうのです。
では、子供の口呼吸が引き起こす具体的な問題にはどのようなものがあるのでしょうか?

口呼吸が子供に引き起こす5つの問題
口呼吸は単なる癖ではなく、お子さんの健康に様々な悪影響を及ぼします。特に成長期のお子さんにとって、その影響は将来にわたって大きな問題となる可能性があります。
口呼吸が引き起こす主な問題として、以下の5つが挙げられます。これらは放置すると、お子さんの健康や生活の質に深刻な影響を与えかねない重要な問題です。
1. 虫歯・歯周病のリスク増加
口呼吸をしていると、口の中が乾燥し、唾液の分泌量が減少します。唾液には口内を洗浄し、細菌の繁殖を抑える自浄作用があります。
この唾液の減少により、虫歯や歯周病のリスクが高まるのです。唾液には口内を中性に保つ働きもあるため、その減少は口内環境の悪化につながります。
特に夜間の口呼吸は、唾液の分泌が少ない就寝中に口内が乾燥した状態が長時間続くため、虫歯リスクをさらに高めます。
2. 歯並びの悪化と顔の形の変化
口呼吸は歯並びにも悪影響を及ぼします。通常、舌は上顎の「スポット」と呼ばれる位置に収まっているのが正常な状態です。この状態では、舌からの圧力と唇、頬からの圧力がバランスを取り、歯並びを正常な位置へと導きます。
しかし口呼吸が習慣化すると、舌が下がって上顎から離れ、力のバランスが崩れます。その結果、頬からの圧力が優位になり、歯列が内側に押されて狭くなり、歯並びが乱れるのです。
また、常に口を開けていることで下顎が下方向に成長し、出っ歯や乱ぐい歯、開咬といった不正咬合が生じるだけでなく、顔つきも変化してきます。
3. 免疫力低下と風邪のかかりやすさ
鼻には空気中の細菌やウイルスをフィルタリングする機能があります。鼻毛や鼻の粘膜が異物をキャッチし、鼻水によって排出する仕組みです。
口呼吸では、このフィルタリング機能が働かないため、細菌やウイルスが直接体内に入りやすくなります。その結果、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなるのです。
また、鼻の奥にある扁桃リンパ組織は免疫系の働きを担っていますが、口呼吸ではこの免疫機能も十分に活用できません。
4. 睡眠の質低下と集中力の問題
口呼吸は睡眠の質を低下させます。口呼吸をしている子供は、睡眠中に無呼吸状態になりやすく、深い睡眠が妨げられることがあります。
その結果、日中の眠気や集中力の低下、学習能力への影響が生じることがあります。実際の研究では、口呼吸をしている子供は鼻呼吸をしている子供に比べて、読解力や計算力のテストで成績が低い傾向があることが報告されています。
これは、脳への酸素供給が関係していると考えられています。鼻呼吸は脳の活動に重要な役割を果たしており、口呼吸ではその機能が十分に働かないのです。

5. 姿勢の悪化と全身への影響
口呼吸をしている子供は、頭を前に出す姿勢になりがちです。これは気道を確保するための無意識の動きですが、結果として猫背などの姿勢の悪化を招きます。
姿勢の悪化は、肩こりや腰痛などの身体的な問題だけでなく、内臓の位置にも影響を与え、全身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
このように、口呼吸は単なる呼吸の問題ではなく、お子さんの健康全体に関わる重要な問題なのです。
子供が口呼吸になる主な原因
なぜ子供は口呼吸をするようになるのでしょうか?その原因を理解することが、効果的な対策の第一歩となります。
子供の口呼吸には、大きく分けて以下のような原因が考えられます。
1. 鼻づまりやアレルギー性鼻炎
最も一般的な原因の一つが、鼻づまりです。アレルギー性鼻炎や慢性的な鼻炎により、鼻で呼吸することが難しくなると、自然と口で呼吸するようになります。
特に花粉症やハウスダストアレルギーなどは、子供の口呼吸の大きな原因となっています。アレルギーにより鼻の粘膜が炎症を起こし、呼吸が困難になるのです。
風邪をひいた際の一時的な鼻づまりも、口呼吸のきっかけとなることがあります。一時的なものであっても、それが習慣化してしまうケースも少なくありません。
2. アデノイドや扁桃腺の肥大
アデノイドは喉の奥に位置するリンパ組織で、子供の免疫系をサポートする役割を担っています。このアデノイドが肥大すると、鼻からの呼吸が制限され、口呼吸を引き起こすことがあります。
アレルギーや感染症がアデノイド肥大の原因となることが多く、特に幼少期の子供に見られます。成長とともに自然に縮小することもありますが、肥大が続くと口呼吸が習慣化してしまいます。
扁桃腺の肥大も同様に、気道を狭め、口呼吸の原因となることがあります。
3. 口周りの筋力の発達不足
現代の食生活では、柔らかい食べ物が増え、しっかり噛む機会が減っています。その結果、口周りの筋肉、特に唇を閉じるための口輪筋が十分に発達しないことがあります。
また、シャボン玉や口笛を吹く、風船ガムを膨らませるといった口遊びも減っており、口周りの筋肉を鍛える機会が全体的に減少しています。
筋力が不足すると、口をしっかり閉じることが難しくなり、無意識のうちに口呼吸をしてしまうのです。
4. 歯並びや噛み合わせの問題
出っ歯(上顎前突)のように、物理的に口を閉じにくい状態も口呼吸の原因となります。歯並びの問題により唇が閉じにくくなると、自然と口呼吸になりやすいのです。
また、噛み合わせの問題も口呼吸と関連しています。適切な噛み合わせができないと、口を閉じた状態を維持することが難しくなることがあります。
5. 習慣的な癖
一度口呼吸の習慣がついてしまうと、それが癖として定着することがあります。特に夜間に無意識に口を開けて寝る癖がつくと、日中も口呼吸を続けてしまうことがあります。
このような癖は、原因が解消された後も残ることがあるため、意識的な改善が必要となります。
口呼吸を改善するための具体的な方法
子供の口呼吸が健康に与える影響を理解したところで、次は具体的な改善方法について見ていきましょう。口呼吸の改善には、原因に応じたアプローチが重要です。
ここでは、家庭でできる対策と専門家の助けが必要な対策に分けてご紹介します。
1. 鼻づまりやアレルギーへの対応
鼻づまりやアレルギー性鼻炎が原因の場合は、まず耳鼻咽喉科を受診しましょう。適切な診断と治療により、鼻呼吸がしやすくなります。
一時的な鼻炎やアレルギー性鼻炎は、お薬の内服や点鼻薬で改善することができます。また、アレルギーの原因となる物質を避けるための環境整備も重要です。
家庭でできる対策としては、部屋の湿度管理や定期的な掃除でハウスダストを減らす、寝具を清潔に保つなどが挙げられます。また、鼻洗浄も鼻の通りを良くするのに効果的です。
2. アデノイドや扁桃腺の問題への対応
アデノイドや扁桃腺の肥大が疑われる場合も、耳鼻咽喉科の受診が必要です。医師の診断により、薬物療法や、場合によっては手術による除去が推奨されることもあります。
アデノイドの肥大が著しく、呼吸や睡眠に大きな影響を与えている場合は、アデノイド切除術が検討されることがあります。これにより鼻からの呼吸が回復し、口呼吸の改善が期待できます。
3. 口周りの筋力トレーニング
口周りの筋力不足が原因の場合は、MFT(口腔機能療法)と呼ばれるトレーニングが効果的です。これは歯科医院で指導を受けることができます。
家庭でできる簡単なトレーニングとしては「あいうべ体操」があります。「あー」「いー」「うー」「べー」と口を大きく動かすことで、口周りの筋肉を鍛えることができます。
また、シャボン玉や吹き戻し、風船を膨らませるといった遊びも、口周りの筋肉を鍛えるのに効果的です。楽しみながらトレーニングできるので、子供も続けやすいでしょう。
4. 歯並びや噛み合わせの改善
歯並びや噛み合わせの問題がある場合は、歯科矯正が必要になることがあります。特に成長期の子供は、適切な時期に治療を始めることで、将来的に歯を抜かない矯正治療が可能になる場合があります。
上永谷デンタルクリニックでは、小児の限られた成長期(特に5歳から10歳の期間)に行う筋機能療法による矯正治療を提供しています。この治療法は、歯並びが悪くなる原因や癖を改善しながら、正しい歯並びを促進する効果があります。
上顎の成長は10歳までに80%が完了するため、この重要な時期に適切な治療を行うことが大切です。
5. 睡眠時の口呼吸対策
夜間の口呼吸を防ぐためには、以下のような対策が効果的です:
- 横向きで寝る習慣をつける(仰向けだと口呼吸しやすい)
- 部屋の湿度を適切に保つ
- 鼻通りを良くするために就寝前に鼻をかむ
- 医師の指導のもと、口閉じテープを使用する(安全面に注意が必要)
特に口閉じテープは、子供に使用する場合は必ず医師の指導を受け、安全に配慮して行いましょう。
口呼吸改善のための専門的アプローチ
家庭での対策に加えて、専門家による治療やトレーニングも口呼吸の改善に大きな効果があります。特に子供の場合は、成長期という限られた時期に適切な治療を行うことで、将来的な問題を予防できる可能性が高まります。
ここでは、歯科医院で行われる口呼吸改善のための専門的なアプローチについてご紹介します。
1. 筋機能療法(MFT)
筋機能療法は、口腔周囲の筋肉のバランスを整え、正しい口の機能を回復させるトレーニング法です。舌や口輪筋を鍛えることで、口呼吸の改善を目指します。
具体的には、舌の位置を正す訓練や、唾液の飲み込み方のトレーニングなどを段階的に行います。また、マウスピース型の口腔筋機能トレーナーを用いることもあります。
これらのトレーニングは歯科衛生士の指導のもとで行われ、家庭でも継続して取り組むことが重要です。目に見える変化が現れるまでには時間がかかることがありますが、根気よく続けることで効果が期待できます。
2. バイオブロックを用いた治療
バイオブロックは上顎の骨の成長を促す装置で、鼻詰まりや口呼吸の機能改善を促進します。特に成長期の子供に効果的で、顔全体の魅力的な変化も期待できます。
上永谷デンタルクリニックでは、このバイオブロックを用いた治療を提供しています。CTスキャンと動画撮影による正確な診断に基づき、お子さん一人ひとりに合わせた治療計画を立てます。
3. 矯正治療との併用
口呼吸の原因が歯並びの問題にある場合は、矯正治療と口呼吸改善のためのトレーニングを併用することが効果的です。
ただし、矯正治療だけでは口呼吸の習慣は改善されないことがあります。舌の位置が正しくならないと、歯並びも後戻りを起こす可能性があるため、口呼吸の改善も同時に行うことが重要です。
4. 総合的なアプローチ
口呼吸の改善には、歯科医、耳鼻科医、場合によっては小児科医など、複数の専門家による総合的なアプローチが効果的です。
上永谷デンタルクリニックでは、矯正専門医が在籍しており、お子さんの口呼吸や歯並びの問題に総合的に対応しています。治療の流れとしては、まず院内で舌のトレーニングを行い、続いて自宅で指定のマウスピースやバイオブロックを使用したトレーニングを実施します。
その後、院内でトレーニングの成果を確認し、これらのステップを繰り返しながら約2年間のトレーニングを継続します。最後に定期チェックを行います。
まとめ:子供の口呼吸改善で健やかな成長を
子供の口呼吸は、単なる癖ではなく、健康や成長に様々な影響を与える重要な問題です。虫歯や歯周病のリスク増加、歯並びの悪化、免疫力の低下、睡眠の質の低下、姿勢の悪化など、放置すると様々な問題を引き起こす可能性があります。
口呼吸の原因は、鼻づまりやアレルギー、アデノイドの肥大、口周りの筋力不足、歯並びの問題、習慣的な癖など多岐にわたります。原因を特定し、適切な対策を取ることが重要です。
改善方法としては、家庭でできる対策と専門家による治療の両方があります。特に成長期の子供は、適切な時期に治療を始めることで、将来的な問題を予防できる可能性が高まります。
上永谷デンタルクリニックでは、小児の限られた成長期(特に5歳から10歳の期間)に行う筋機能療法による矯正治療を提供しています。CTスキャンと動画撮影による正確な診断、矯正専門医の在籍、バイオブロックの使用など、お子さんの口呼吸や歯並びの問題に総合的に対応しています。
お子さんの口呼吸が気になる場合は、まずは専門家に相談することをおすすめします。上永谷デンタルクリニックでは矯正相談も受け付けていますので、お気軽にご予約ください。
お子さんの健やかな成長のために、口呼吸の改善に取り組んでみませんか?
詳しい情報や矯正相談のご予約は、上永谷デンタルクリニックまでお問い合わせください。