ワイヤー矯正は本当に古い?|確実に歯を動かす“王道矯正”の特徴・メリット・適応症を専門医が解説
- 2026年2月17日
- 矯正
歯並びを整えたいと考えたとき、最近多くの方が最初に思い浮かべるのは「マウスピース矯正」かもしれません。
透明で目立ちにくく、取り外しができるという利便性から、矯正治療のハードルは以前よりも大きく下がりました。
一方で、「ワイヤー矯正は目立つ」「昔ながらの方法」というイメージを持たれる方も少なくありません。
しかし実際の歯科医療の現場では、現在でもワイヤー矯正は重要な役割を担っており、症例によっては最も確実で効率的な治療法として第一選択になる標準治療です。
歯並びや噛み合わせは、単に見た目の問題ではありません。
虫歯や歯周病のなりやすさ、顎関節への負担、将来的な歯の寿命にも大きく関係します。
この記事では、歯科医師の立場から、ワイヤー矯正の仕組み・特徴・メリット・デメリット、さらにどのような方に向いている治療法なのかを詳しく解説します。

ワイヤー矯正とはどのような治療か
ワイヤー矯正とは、歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる装置を装着し、そこにワイヤーを通して持続的な力を加え、歯を少しずつ理想的な位置へ移動させる治療法です。
歯は単に押せば動くわけではありません。
歯根の周囲にある骨が「壊れて→再生する」という生体反応(骨のリモデリング)を利用して、ゆっくり位置が変化していきます。
この原理は長年の研究により確立されており、科学的根拠と臨床実績が最も豊富な矯正法といえます。
現在では、
・細くしなやかな形状記憶ワイヤー
・白色や透明の審美ブラケット
・裏側(舌側)矯正
など装置も進化し、従来より目立ちにくい治療が可能になっています。
最大の強みは「歯のコントロール力」
ワイヤー矯正が今も主流であり続ける理由は、歯の動きを立体的に細かくコントロールできる点にあります。
歯の移動には、
・傾ける
・回転させる
・引っ張る
・押し込む
・奥歯を後方移動させる
といった複雑な動きが必要です。
マウスピース矯正では難しいこれらの細かな操作も、ワイヤー矯正なら正確に行えます。
特に
・重度のガタつき
・抜歯症例
・出っ歯や受け口
・大きな噛み合わせのズレ
・外科矯正を伴う症例
では、ワイヤー矯正が最も適しています。

ワイヤー矯正のメリット
1.幅広い症例に対応できる
軽度から重度までほぼすべての歯並びに対応可能です。難症例ほど効果を発揮します。
2.治療結果が安定しやすい
装置が固定式のため24時間力が作用し、装着時間不足による失敗が起こりません。
3.効率的に歯を動かせる
大きな移動が可能なため、症例によってはマウスピースより治療期間が短くなることもあります。
4.噛み合わせ改善に優れている
噛み合わせが整うことで
・虫歯・歯周病リスク低下
・清掃性向上
・顎関節の負担軽減
・歯の長期保存
につながります。
実際に、咬合改善により将来的な補綴治療や再治療が減少し、トータル医療費が抑制される可能性があることも報告されています。
デメリットと対策
・装置が目立つ
・歯磨きが難しい
・違和感や痛み
・食べ物が挟まりやすい
といった欠点もあります。
しかし、
・審美ブラケット
・ブラッシング指導
・定期クリーニング
・フッ素塗布
などで十分対策可能です。
近年は「思ったより目立たない」と感じる患者様も増えています。
マウスピース矯正との違い
マウスピース矯正は審美性と快適性に優れていますが、
・自己管理(装着20時間以上)が必要
・重度症例は不向き
・計画通り動かない場合がある
といった制限があります。
つまり、
軽度〜中等度 → マウスピース
中等度〜重度 → ワイヤー
という使い分けが現実的です。
「目立たない=最適」とは限らない点が重要です。
ワイヤー矯正が向いている人
・歯並びの乱れが大きい
・抜歯が必要
・確実に治したい
・自己管理が苦手
・短期間で効率よく動かしたい
・噛み合わせを根本改善したい
このような方には特に適しています。
子どもから大人まで適応可能
ワイヤー矯正は年齢制限がありません。
子どもでは成長を利用した骨格コントロールが可能で、
大人でも歯周組織が健康であれば問題なく治療できます。
「大人だから遅い」ということはありません。

上永谷デンタルクリニックの矯正治療
当院では、見た目だけでなく将来の健康寿命まで見据えた矯正治療を重視しています。
・矯正専門医による診断
・小児歯科専門医在籍(成長期の管理に強み)
・CT/口腔内スキャナーによる精密検査
・睡眠や口呼吸も含めた機能評価
など多角的な視点から治療計画を立案します。
単に歯を並べるのではなく、「長く健康に使える口腔環境」をゴールとしています。
まとめ
ワイヤー矯正は決して古い治療法ではありません。
現在でも最も信頼性が高く、幅広い症例に対応できる“王道の矯正治療”です。
見た目だけで治療法を選ぶのではなく、
「自分の歯並びに本当に適した方法かどうか」で選択することが大切です。
矯正方法で迷われている方は、まずは専門医へご相談ください。
上永谷デンタルクリニックでは矯正相談を随時受け付けております。
あなたにとって最適な治療法を一緒に考えていきましょう。

上永谷デンタルクリニック院長 平野信実
経歴
2012年4月
神奈川の大手法人の歯科医院で勤務、分院長など歴任
資格・所属学会
- 日本口腔インプラント学会会員
- 京都インプラント研究会会員
- JSOI専修医
