子供の歯ぎしりの原因と対処法|横浜市港南区の歯科医が解説

夜中にお子さまが歯ぎしりをしている音で目が覚めた経験はありませんか?「歯が削れてしまわないか」「何か病気のサインではないか」と心配になる保護者のかたは少なくありません。
結論からお伝えすると、子供の歯ぎしりはほとんどのケースで成長の過程で自然におさまる生理的な現象とされています。乳幼児期から学童期にかけて多く見られ、成長とともに軽減していくことが多いとされています。ただし、歯のすり減りが顕著な場合や、睡眠の質への影響が疑われる場合などは、一度歯科での確認をお勧めします。
この記事では、子供の歯ぎしりの主な原因・家庭でできる対処のポイント・歯科に相談するタイミングをわかりやすくまとめました。
- ✅ 子供の歯ぎしりが起こる主な原因
- ✅ 家庭でできる具体的な対処法と日常ケアのポイント
- ✅ 歯科に相談すべきサインと受診のタイミング
- ▸ 子供の歯ぎしりはよくあること?保護者が感じる不安の正体
- ▸ 子供が歯ぎしりをする主な原因とメカニズム
- ◦ 心理的ストレスや生活リズムの乱れとの関係
- ◦ よくある誤解:歯ぎしりをしている子は「歯が弱い」は間違い
- ▸ 子供の歯ぎしりが歯や体に与える影響とは
- ◦ 乳歯・永久歯への影響
- ◦ 睡眠の質・成長との関係
- ▸ 家庭でできる子供の歯ぎしりへの対処法
- ◦ ① 就寝環境と生活リズムを整える
- ◦ ② 口を閉じる・鼻で呼吸する習慣づくり
- ◦ ③ 食事・噛む習慣の見直し
- ◦ ④ 定期的な口腔チェックと予防ケア
- ▸ 歯ぎしりと歯並び・小児矯正との関係
- ◦ 歯ぎしりは歯並びの乱れのサインになることがある
- ◦ 小児矯正の相談目安は5歳〜11歳
- ▸ 上永谷デンタルクリニックのお子さまへの対応
- ▸ よくある質問(FAQ)
- ◦ お子さまの歯ぎしりが気になったら、まずはご相談ください
子供の歯ぎしりはよくあること?保護者が感じる不安の正体
子供の歯ぎしり(睡眠時ブラキシズム)は、幼児期から小学校低学年にかけて非常に多く見られる現象です。国内外の複数の研究によると、子供の睡眠時ブラキシズムの有病率は14〜20%程度と報告されており(文献3)、決して珍しいことではありません。
多くの保護者のかたが特に心配されるのは、以下のような点です。
- 「ギリギリ」という音が大きく、歯が欠けてしまいそう
- 毎晩のように繰り返しているので何かの病気かもしれない
- 歯並びや顎の発育に影響が出ないか不安
- 寝ているときだけで本人は気づいていない
これらの不安は自然なものですが、「音が大きい=深刻な問題」とは必ずしも言えません。子供の顎の骨はやわらかく筋肉も発達途中のため、大人よりも音が大きく響きやすい傾向があります。もちろん、継続的な観察は大切ですが、まずは焦らずに原因と対処のポイントを把握することが望ましいといえます。
一方で、「様子を見れば大丈夫」と長期間放置し続けることも必ずしも適切とは言えません。歯のすり減り(咬耗)が進行していたり、顎関節への負担が蓄積していたりする可能性があるため、気になる場合は早めに歯科へ相談されることをお勧めします。
子供が歯ぎしりをする主な原因とメカニズム
子供の歯ぎしりには、複数の要因が複合的に関係していると考えられています。現時点では単一の明確な原因が確定しているわけではなく、成長・発育・環境・神経系の発達が複雑に絡み合っているとされています(文献3・5)。代表的な要因を以下にまとめます。
乳歯から永久歯へと生え変わる時期(おおむね6歳前後から12歳ごろ)は、上下の歯の噛み合わせが常に変化しています。脳が新しい咬合関係を感知・調整しようとする過程で、就寝中に無意識に歯を噛み合わせたり擦り合わせたりすることがあると考えられています。この場合の歯ぎしりは生理的な側面が強く、歯の生え変わりが落ち着くとともに軽減していくことが多い傾向にあります(文献2)。
子供は大人に比べてレム睡眠(浅い眠り)の割合が多く、睡眠サイクルの切り替わりの際に体が動きやすい状態にあります。睡眠時ブラキシズムはこの睡眠サイクルと密接に関係しており(文献5)、中枢神経系の制御機能が未発達なうちはより起こりやすいとされています。成長とともに睡眠の質が整い、中枢神経系の制御が安定してくると自然に減少していくことが多いとされています。
鼻づまりやアレルギー性鼻炎などが原因で、お子さまが口呼吸をしている場合、舌の位置や顎の筋緊張に影響が生じ、歯ぎしりと関連する可能性が指摘されています。口呼吸は歯並びや顎の発育とも関係があるとされており、原因を一つに決めつけず鼻の通りや呼吸の状態を含めて総合的に見ていくことが望ましいとされています。気になる場合は耳鼻科・小児科との連携も視野に入れてください。
心理的ストレスや生活リズムの乱れとの関係
環境の変化(入園・入学・転居など)、日常のストレスや緊張も歯ぎしりと関連する要因として挙げられることがあります(文献4)。ただし、ストレスが原因と断定できるケースは限られており、「歯ぎしり=子供が強いストレスを抱えているサイン」と過度に心配する必要はありません。就寝前の生活リズムを整えることや、リラックスできる環境づくりは、ストレスの有無にかかわらず睡眠の質を高めるうえで有益とされています。
よくある誤解:歯ぎしりをしている子は「歯が弱い」は間違い
「歯ぎしりをするのは歯や顎が弱いから」「カルシウムが不足しているから」という俗説を耳にすることがありますが、これらは科学的な根拠が乏しい誤解とされています。歯ぎしりは栄養状態よりも、上述の神経系・咬合発達・呼吸などの要因と関係が深いとされています(文献3)。正確な原因を知るためにも、心配な場合は歯科での相談をご活用ください。

子供の歯ぎしりが歯や体に与える影響とは
乳歯・永久歯への影響
軽度の歯ぎしりであれば過度に心配する必要はありませんが、強い歯ぎしりが継続した場合には以下のような影響が生じる可能性があります。
- 歯の咬耗(すり減り):乳歯のエナメル質は永久歯よりもやわらかく、強い歯ぎしりによってすり減りが生じることがあります。
- 知覚過敏症状:歯がすり減ることで象牙質が露出し、冷たいものや刺激に敏感になる場合があります。
- 顎関節への負担:成長期の顎に繰り返し負荷がかかることで、顎関節や周囲の筋肉への影響が生じる可能性があります。
睡眠の質・成長との関係
睡眠は子供の成長ホルモン分泌と密接に関わっています。深い睡眠(ノンレム睡眠)の段階で成長ホルモンが多く分泌されるとされており(文献1)、睡眠時ブラキシズムが睡眠の質に影響を与えている場合には、間接的に成長や体の回復にも影響が及ぶ可能性が考えられます。就寝前の環境づくりや生活リズムを整えることが、歯ぎしりの軽減だけでなく全身の健やかな発育のためにも望ましいとされています。
⚠️ こんなサインは早めに歯科へ相談を
- 歯が目に見えて短くなった・平らに削れている
- 歯ぎしりの音がとても大きく、頻度が高い
- 朝起きたときに顎が痛い・だるいと訴える
- 歯ぎしりとともにいびきや口呼吸が目立つ
- 6歳以降も歯ぎしりが続いており改善する様子がない
家庭でできる子供の歯ぎしりへの対処法
① 就寝環境と生活リズムを整える
睡眠の質を高めることは、歯ぎしりの軽減に役立つ可能性があります(文献1)。以下のポイントを日常生活に取り入れてみてください。
- 就寝・起床時間をできるだけ一定にする
- 就寝1〜2時間前はテレビ・タブレット・スマートフォンの使用を控える
- 就寝前は静かな遊びや読み聞かせなど、リラックスできる時間をつくる
- 室温・湿度を快適に保ち、枕や布団の寝心地を整える
② 口を閉じる・鼻で呼吸する習慣づくり
口呼吸が習慣化しているお子さまの場合、日中から意識的に鼻呼吸を促すことが望ましいとされています。ただし、鼻づまりや鼻炎などの耳鼻科的な要因がある場合は、まず耳鼻科での診察を優先してください。食事の際にしっかり噛む・口を閉じて食べる・よく噛める食材を積極的に取り入れるといった取り組みが、舌の筋力と口周りの筋機能を育てるうえで有効とされています(文献2)。
③ 食事・噛む習慣の見直し
離乳食完了後からの食事は、やわらかいものに偏りすぎず、適度に噛む回数を増やせるような食材(根野菜・きのこ・繊維質の多い食品など)を取り入れることが、顎の筋肉の健全な発育につながると考えられています(文献2)。噛む力をバランスよく育てることは、歯列・顎の発達を促すためにも大切な習慣です。
④ 定期的な口腔チェックと予防ケア
家庭でのケアとあわせて、定期的な歯科でのチェックが歯ぎしりの早期発見・対応において重要な役割を果たします。歯の咬耗の程度、噛み合わせの変化、口腔習癖(指しゃぶり・口呼吸など)の有無を専門家の目で確認してもらうことで、必要な対応を早めに検討できます。当院では小児歯科専門医(非常勤)も在籍しておりますので、安心してご相談ください。
歯ぎしりと歯並び・小児矯正との関係
歯ぎしりは歯並びの乱れのサインになることがある
歯ぎしりそのものが直接歯並びを崩すわけではありませんが、口呼吸・舌の位置の問題・噛み合わせの偏りなど、歯ぎしりと関連する要因が歯並びや顎の発育にも影響を与えることがあります。成長期のお子さまの場合、これらの口腔習癖を早期に把握し、必要に応じて対応することが、将来の歯並びを整えるうえでも意義があると考えられています(文献2)。
小児矯正の相談目安は5歳〜11歳
小児矯正は、顎の骨が成長段階にある時期に骨格や筋肉のバランスを整えることができるため、早い段階での相談が選択肢を広げることにつながります。一般的に5歳〜11歳ごろが相談・治療開始の目安とされており(日本矯正歯科学会・文献2に基づく)、お子さまの顎の成長・歯の生え変わりの状況によって対応方針は異なります。
当院では、筋機能療法は基本的に院長またはスタッフが対応しており、小児歯科専門医(非常勤)も在籍しておりますので、歯並びの表面的な問題だけでなく、口呼吸・舌の使い方・口周りの筋肉のバランスといった根本的な要因へのアプローチについても安心してご相談いただけます(個人差があります)。
✅ 早めに相談するメリット
- 顎の成長を活かした治療が選択できる
- 口腔習癖(口呼吸・舌癖など)の改善を早期に図れる
- 永久歯が生えそろってからの矯正負担が軽減できる場合がある
⚠️ 注意したい点
- 全てのお子さまが同時期に治療開始するわけではない(個人差あり)
- 成長によっては経過観察のみで対応する場合もある
- 永久歯列期に改めて矯正が必要になる場合がある
小児矯正を検討される場合は、まず専門家によるお口の状態の確認が大切です。費用の目安として、当院では小児ワイヤー矯正・小児マウスピース型装置矯正ともに400,000円〜(税込)でご案内しています。詳しくは初診カウンセリングでご確認ください。

上永谷デンタルクリニックのお子さまへの対応
横浜市港南区・上永谷エリアに2023年に開院した上永谷デンタルクリニックでは、お子さまの歯の健康を長く支えるために、予防とメインテナンスを中心とした診療を大切にしています。
- 🦷 筋機能療法は院長またはスタッフが対応・小児歯科専門医(非常勤)も在籍:筋機能療法は基本的に院長またはスタッフが担当しており、小児歯科専門医(非常勤)も在籍しておりますので、5歳〜11歳のお子さまの歯並びや口腔機能について、専門的な視点から安心してご相談いただけます。
- 🔬 精密な口腔内チェック:歯科用CT・マイクロスコープ・口腔内スキャナを活用し、視覚化しにくい状態も詳しく把握したうえでご説明します。
- 🛡️ 感染対策の徹底:ミラー・ピンセットは患者さまごとに滅菌パッキングし、口腔外バキュームで飛沫リスクの低減に努めています。
- 🏠 バリアフリー&半個室設計:ベビーカーのまま入れるユニットや半個室のカウンセリングルームを設けており、小さなお子さま連れのかたも安心してご来院いただけます。
- 📅 土日診療・WEB予約24時間対応:平日の来院が難しいご家庭にも対応できるよう、土日の診療を行っています。
よくある質問(FAQ)
📝 この記事のまとめ
- ✅ 子供の歯ぎしりは成長過程でよく見られる現象で、多くは自然に軽減する傾向がある
- ✅ 噛み合わせの変化・睡眠サイクル・口呼吸(鼻の通りや鼻炎等の影響も含む)など複数の要因が関係している可能性がある
- ✅ 就寝環境の整備・鼻呼吸の習慣化・よく噛む食事など家庭でできる対処が有効とされている
- ✅ 歯のすり減りや顎の痛みなど気になるサインがあれば早めに歯科へ相談を
- ✅ 小児矯正の相談目安は5歳〜11歳。筋機能療法は院長またはスタッフが担当し、小児歯科専門医(非常勤)も在籍しているため、早めの確認で選択肢が広がる
お子さまの歯ぎしりが気になったら、まずはご相談ください
筋機能療法は院長またはスタッフが対応しており、小児歯科専門医(非常勤)も在籍しています。初診カウンセリング(無料)を実施していますので、お気軽にどうぞ。横浜市港南区・上永谷駅3番出口より徒歩2分。土日も診療しており、WEB予約は24時間対応です。
参考文献
1. Trosman I, Scher AI. “Childhood sleep disorders: recent advances in diagnosis and management.” Pediatr Rev. 2013;34(9):393-402.
2. 日本小児歯科学会「小児の口腔機能発達評価マニュアル」2018年版.
3. Lobbezoo F, et al. “Bruxism defined and graded: an international consensus.” J Oral Rehabil. 2013;40(1):2-4.
4. Restrepo CC, et al. “Effects of psychological techniques on bruxism in children with primary teeth.” J Oral Rehabil. 2009;36(12):931-940.
5. Van Selms MK, et al. “Sleep bruxism: A review from a dental perspective.” J Sleep Res. 2018;27(5):e12744.

お子さまの歯ぎしりに気づいたとき、「何か悪いことが起きているのでは」とご不安になる保護者のかたのお気持ちはよくわかります。多くの場合は成長の過程のものですが、歯のすり減りや噛み合わせの変化は目で見てもわかりにくいことがあります。定期的に専門家の目でお口の状態を確認することで、早めに対応の方向性を決めることができます。「うちの子、大丈夫かな?」と思ったら、どうぞお気軽にご相談ください。